舞台「HELI-X」シリーズ第三弾。前二作に続きビジュアルのアートディレクションを担当。

今回は主役二人の物語がクライマックスを迎え、新章へ移行していく節目の作品でした。テーマカラーは「紫」。男性は元女性、女性は元男性であるという「HELI-X」の設定と三作目というタイミングにしっかりフィットしたと思います。紫バックのポートレートは挑戦でしたが、肌色に艶が出て綺麗な色に撮れるのは発見でした。舞台ならではのメイクと衣装も大きいです。

パンフレット、ブロマイド等はデジタルマッピング用のLEDパネルに投影して撮影。全てのキャラクターにオリジナルシーンを用意できるというのは、デザイン観点で考えると贅沢です。ストロボと背景にあるLED発光とのバランスは検証が必要でした。描き割りを用いるような、大きなアーティスティックな写真などにも挑戦できそうなスタジオです。

アクリルスタンドやアクリルブロマイドの他、小説、ステッカー、トートバック等のグッズ、劇中の「ツイン・イプシロン」シンボル等も全てデザインしています。舞台の場合、こちらの作業が先行し公演時には全て終了しているので、劇中シンボルがストーリーの中で活かされているのを観ると、また違う感動があります。

コンセプトムービーは、作家さんの要望により「HELI-X」シリーズとしては初めてセリフが入ったものになりました。このムービー撮影が行われたのは公演のほぼ半年前。どんな話になるかまだまだ未知な状態だったのですが、役者さんの演技に大きく引っ張ってもらい、お陰様でクライマックスへと進む「HELI-X」第３弾に合うムービーが出来たかと思います。